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2025/04/14 16:14
ドレッサーは和製英語?その語源と各国での呼ばれ方を徹底解説
「ドレッサーって和製英語なの?」「海外ではなんて呼ばれてるの?」——そんな疑問を持ったことはありませんか?
この記事では、ドレッサーという言葉の語源、日本でその名称が使われるようになった経緯、そしてアメリカやヨーロッパ各国で鏡台がどう呼ばれているのかを詳しくご紹介します。
ドレッサーは実は“和製英語”
「dresser」という単語は英語圏にも存在しますが、日本でいう“鏡付きの化粧台”を意味する「ドレッサー」は、日本独自の使い方です。
日本では、かつて「鏡台(きょうだい)」と呼ばれていた家具が、昭和中期ごろから西洋式のデザインを取り入れた「ドレッサー」として普及し始めました。
この名称は、工業デザイナー・豊口克平氏が「ドレッシングチェスト」をもとに名付けたもので、インテリアの西洋化が進む中で日本市場に浸透していったとされています。
海外での「ドレッサー」の意味と各国での呼び方
1. アメリカ英語
アメリカでは「dresser」というと、主に“引き出し付きの衣類収納タンス”を指します。鏡がついている場合もありますが、「vanity」や「makeup vanity」といった別の単語が化粧台を指すのに使われます。
2. イギリス英語
イギリス英語では「dresser」は食器棚を意味するのが一般的です。化粧台は「dressing table」または「chest of drawers with mirror」などと表現されます。
3. フランス語
フランス語で「dresser」は“支度する・整える”などの動詞であり、家具の意味では使われません。鏡付きの化粧台は「coiffeuse(コワフーズ)」や「psyche(プシケ)」と呼ばれます。
4. ドイツ語
ドイツ語で「Dresser」は一般に用いられず、化粧台は「Schminktisch(シュミンクティッシュ)」や「Putztisch」と表現されます。どちらも“お化粧をする机”の意味合いです。
5. スペイン語
スペイン語では「tocador」や「mesa de tocador」が鏡付きの化粧台を指します。日本のドレッサーに最も近い意味を持つ表現です。
6. ポルトガル語
ポルトガル語では「penteadeira(ペンチアデイラ)」が一般的で、鏡と引き出しが一体になった化粧台を表す言葉です。
なぜ日本では「ドレッサー」と呼ぶようになったのか?
日本では、昭和以前には「鏡台(きょうだい)」という名称が一般的でした。
しかし、戦後のライフスタイルの変化や西洋インテリア文化の流入により、「ドレッサー」という新たな名称が登場。
昭和34年(1959年)には、工業デザイナー・豊口克平氏が、欧米の「ドレッシングチェスト」を参考に、鏡台を“ドレッサー”と名付け、日本独自のスタイルとして広まりました。
現在では、コンパクトなサイズやLEDライト付きなど、時代に合わせて進化した多機能型ドレッサーが「ドレッサー」として親しまれています。
まとめ:ドレッサーは日本独自の文化的進化の象徴
「ドレッサー」は確かに英語由来の言葉ですが、日本における意味合いは世界とは異なり、“和製英語”の一種といえます。
海外ではそのまま「dresser」と言っても伝わらないことが多いため、国や文化に応じた正しい言葉を使うことが大切です。
海外で商品を探したり、外国人に説明したりするときは、「vanity」や「coiffeuse」「tocador」など、その言語に合った単語を使ってみてください。
ぜひこの記事を通じて、ドレッサーの言葉の背景と各国での呼ばれ方について、理解を深めていただければ幸いです。